埼玉県八潮市で昨年1月、県道が大規模陥没し、転落したトラックの男性運転手が死亡した事故は28日で発生から1年となった。現場では今も復旧工事の重機が騒音を響かせ、下水から出る硫化水素の悪臭が漂い、金属さびの被害も。県は周辺の住民や事業者に一律の金銭補償を行ってきたが、補償内容への不満などから申請数は約67%にとどまっている。
「補償は実情に沿った内容ではない」。現場近くに住む木下史江さん(56)は27日、申請を見送っている理由を語った。事故後、自宅のシャワーやアクセサリーの金属部分にさびが出るように。硫化水素が原因とみられる。この1年を振り返り「生活の苦労をもっと理解してもらい、被害実態に即した支援をしてほしい」と訴えた。
県は現場から約200メートル以内に住む419世帯に対し単身世帯で5万円、家族が1人増えるごとに2万円を補償すると決定。飲食店などの事業者にも一律10万円を払う。
県担当者は「現場からの距離などで被害状況が違うのに、一律の金額はおかしいといった意見がある」と説明する。