NHKが8月に放送した戦時下の「総力戦研究所」を描いたドラマを巡り、番組内容に抗議していた所長の孫で元外交官の飯村豊さんは14日、放送倫理・番組向上機構(BPO)に審議などを求める要望書を同日までに提出したことを明らかにした。祖父の名誉を毀損されたとして、NHK側への損害賠償請求訴訟も検討しているとした。
飯村さんは東京都内の日本記者クラブで開いたシンポジウムで「歴史的事実の歪曲について(NHKは)謝罪と訂正をしてほしい」と述べた。
ドラマはNHKスペシャル「シミュレーション 昭和16年夏の敗戦」。飯村さんの祖父は研究所内で自由な議論を後押ししたとされるが、ドラマ内では日本が「圧倒的な敗北に至る」という結論を覆すよう圧力をかける人物として描かれた。
番組では「所長および関係者はフィクションとして描かれています」とのテロップを表示。ドラマに続くドキュメンタリーの部分では飯村さんもインタビューを受け、祖父の人物像を説明した。