カンボジア北西部ポイペトの拠点で特殊詐欺に関与したとして、日本人男女29人が詐欺未遂容疑で逮捕された事件で、愛知県警は21日、29人の逮捕容疑は東京都八王子市の無職男性(64)から現金をだまし取ろうとした疑いと明らかにした。拠点では2~5月に計約14億円をだまし取った疑いがある。愛知や栃木、千葉など6県警合同捜査本部を15日に設置し、拠点の実態や渡航の経緯などを調べ、他の詐欺事件への関与もあるとみて捜査する。
愛知県警によると29人は、いずれも住所、職業不詳の大坪裕介容疑者(35)や比嘉正良容疑者(29)らで19~52歳。拠点では、中国系管理者8人ほどの下、外出を制限され、かけ子をしていたという。
29人の逮捕容疑は、他の者と共謀して5月27日、八王子市の男性にカンボジアからSNSの通話機能などを利用して警察官をかたり、男性がマネーロンダリング事件に関与している疑いがあり、預貯金の流れを確認する必要があるなどとうそをつき、現金をだまし取ろうとした疑い。愛知県警は認否を明らかにしていない。