がん細胞だけを破壊するよう遺伝子改変したウイルスに、さらに患者の免疫を刺激する働きを加えた新治療法で、皮膚がんの一種「悪性黒色腫(メラノーマ)」の縮小などの有効性と安全性が示されたと、東京大や信州大のチームが31日発表した。医師主導治験の中間解析結果。チームは製造販売承認を目指す。
遺伝子の一部を改変したヘルペスウイルスを投与する治療法は、脳腫瘍の一種「悪性神経膠腫」に対して、第一三共の注射薬「デリタクト」が実用化されている。チームはこのウイルスに免疫反応を刺激する「IL12」の遺伝子を組み込み、がんへの攻撃力を強めた。