拠点集落、200年存続を確認

上御殿遺跡の発掘調査で見つかった、日本海側の地域の特徴を持つ土器などの遺物=14日、滋賀県高島市

 滋賀県文化財保護協会は17日、古代の中国北部に分布した「オルドス式銅剣」の特徴を持つ短剣の鋳型が国内で初出土した上御殿遺跡(同県高島市)で、弥生時代後期から古墳時代前期にかけて約200年間続いた地域の拠点集落の跡を確認したと発表した。鋳型の出自や年代などの解明につながる手がかりは得られなかった。

 遺跡では2013年度の調査で、中国の春秋戦国時代(紀元前770年~同221年)のオルドス式銅剣に似た特徴を持つ「双環柄頭短剣」の鋳型が出土。朝鮮半島での出土例もなかったため議論を呼んだ。年代などの詳細は分かっていなかった。

 協会によると今回の発掘調査は昨年度から実施。これまでに21棟の竪穴建物の跡を確認した。京都府北部の丹後や福井県の若狭といった日本海側の地域の特徴を持つ土器も見つかり、遠隔地との交流があったことを示すという。ただ、短剣の鋳型に関連する遺構や遺物は見つからなかった。

 大阪府立弥生文化博物館の禰宜田佳男館長は「拠点集落だからこそ珍しい鋳型が出土したと理解できる」と話した。

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