【Gateインパクト】大学受験体験談(緒方夏美さん)

大分高から北九州市立大外国語学部国際関係学科に進学した緒方夏美さん

 ※2025年2月22日に配信した記事を再掲載しています。

 大分高普通科特進個性進学専攻(現・普通科準特進コース)3年の緒方夏美さん(18)は、北九州市立大外国語学部国際関係学科に合格した。母親の母国フィリピン訪問をきっかけに国際問題に目を向け始めたと緒方さん。入試では持ち前のコミュニケーション力を発揮し総合型選抜での合格をつかんだ。

 大分市原川中に通う頃から英語が好き。韓流(はんりゅう)アイドルや韓国ドラマにも夢中になり、韓国語も自分で学んでいた。外国語を流ちょうに話す人に憧れ、自分もそうなりたいと強く思うようになったという。

 中学で打ち込んだ吹奏楽を続けるため、大分高に進んだ。2年になって大学進学を意識した時、外国語を学ぶだけでなく、国際社会のさまざまな問題を政治や経済、歴史、宗教といった多角的な視点から学ぶ国際関係学に着目した。その背景には、母親の母国に幼い頃から何度か訪ねていた経験があった。

 物乞いをする子どもたちや未整備のインフラなど、日本の暮らしでは考えられないような現実を目の当たりにし、衝撃を受けた緒方さん。「フィリピンの貧困を解決する方法を探したい」との思いから、新聞やテレビが伝える国際問題に関心が向くようになった。
 大学選びでは「国際関係」「国際文化」のキーワードで検索。北九州市立大国際関係学科は英語と韓国語に加えて国際問題が学べる。さらに、長期交換留学や短期語学研修の制度が魅力だった。オープンキャンパスに参加し、入学したいとの思いを強くした。

 試験科目に苦手な数学がなく、得意のコミュニケーションが生かせる総合型選抜で合格を目指そうと決めた。募集人員は10人。1次選考は小論文、2次選考は集団討論、面接、自己推薦書の提出だった。

 過去問を見ると、小論文と集団討論は、さまざまな国際問題がテーマに取り上げられていた。日頃からテレビや新聞のニュースから知識を取り入れ、ユーチューブの解説動画を見て内容を深掘りすることで自分の考えをまとめることを心がけた。

 本格的に受験対策を始めたのは高校3年になってから。担任だけでなく、社会科や進路指導の教師から指導を受け、小論文、集団討論、面接の練習を重ねた。自己推薦書は10回以上書き直した。自分だけにしかないエピソードや意欲が伝わるように工夫した。

 所属するクラスは生徒の多くが私立大の指定校推薦などで早々と進学先を決めていく。自分のモチベーションを維持するのに苦労したが、国公立大合格を目指す友人と励まし合って乗り越えた。弱気になった時には、姉がくれた「安易な道ではなく、やりたいことをかなえるために高い目標に挑戦するべき」との助言が大きな支えになった。3年の11月まで部活動を続け、受験対策と吹奏楽のどちらにも全力を尽くした。

 9月の1次選考本番。小論文のテーマは「国連の安全保障理事会(安保理)の役割と機能」を踏まえ、国際紛争の解決能力を評価させるものだった。自信があるテーマだけに書き終えた手応えは上々だった。

 10月の2次選考の集団討論も安保理の拒否権がテーマだった。一般的に受験生が避けがちなタイムキーパーの役目を自ら買って出ることで、自分が討論の流れをつくるという作戦が奏功。試験官の反応を冷静に確認する余裕もあり、終わった時には合格を確信したという。
 11月に合格通知が届いた。合格をつかんだ要因を「得意なコミュニケーション力が生かせた。日頃から世の中の話題に関心を持ち、友人や両親、姉妹らと意見を交わしてきたことも試験で役に立った」と分析。受験勉強中に不安を感じる時もあったが、大学で学びたいことが明確に頭の中にあったため、明るい未来を想像して乗り越えたという。

 後輩には「努力は必ず自分のためになる」とエールを送る。大学では国際問題の背景を専門的に学びながら、貧困や経済格差を解決する方法を模索するつもり。「いろんな国の友人をつくり、将来は英語を生かした職業に就きたい」と期待でいっぱいだ。

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