「食品産業表彰」中津市の田中醤油店に農水大臣賞 規格外活用で生産者の収益安定化

県産規格外農産物の有効活用で農林水産大臣賞を受賞した田中醤油店の田中宏社長=中津市犬丸

 【中津】中津市犬丸の食品製造業「田中醤油(しょうゆ)店」が、第47回食品産業優良企業等表彰で最高賞に当たる農林水産大臣賞を獲得した。県内の受賞は同社のみ。県産農産物の規格外品の有効活用を通じ、生産者の廃棄ロス削減と収益安定に貢献していることが高く評価された。田中宏社長(55)は「生産者とのつながりで頂けた賞だと思う。これからも一緒に挑戦を続けていきたい」と喜んでいる。
 食品産業表彰は食品産業センターと食品等持続的供給推進機構の主催で、1979年に始まった。田中醤油店は食品産業部門の農商工連携推進タイプで受賞し、今月初めに東京都内で表彰式があった。
 田中社長は創業120年を超える老舗の4代目。2009年に大葉生産「植木農園」(大分市)から規格外品活用策の問い合わせを受け、県事業を活用して10年に「ジェノベーゼ風大葉ソース」を発売したところ、累計80万個以上のヒットとなった。
 最近では中津産フルーツトマトの規格外品を使い、生産者や市、中津東高と連携してラーメン「旨辛(うまから)トマメン」を生み出した。農産物加工から製品化まで一貫して担い、地域経済の活性化に貢献している。
 現在、調味料製造に使用する主要原料のうち約7割を国産として年々、輸入依存度を下げている。農家との協議会や試作段階の共同検証を通じ、食品加工や保存技術に関する知見のフィードバックもしている。
 本業はしょうゆ醸造だが、OEM(相手先ブランドによる生産)にも積極的だ。田中社長は「大手と同じことをしていても生き残れない。しょうゆ屋は塩の使い方にたけている。今後も商品開発に力を入れ、店と県産農産物の認知度向上に努める」と話した。

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