タンカーやフェリーを建造している臼杵造船所(臼杵市)は生産体制を強化するため、大型のクレーン2基を新たに導入する。国内の造船業界に円安や政府による重点投資といった追い風が吹く中、年間の建造能力を現在の4、5隻から5、6隻に高める。投資額は40億~50億円程度の見込み。18日、県庁で佐藤樹一郎知事に計画を表明した。
クレーンは塗装工場の裏に160トンを新設する。船を造る船台には120トンを設置。使用している60トンは位置を変え、20トンは廃棄する。工場全体では1基増える。
現在は重たい船体部品を動かす際、複数のクレーンを使ったり、移動式クレーンを借りたりしている。大型のクレーン導入で1基で移動できるようになるなど、作業の効率化が図れる。
工事には2026年度から着手し、31年度の稼働を目指す。
国内の造船業界は円安による船主の収益増、環境適応船への対応、コロナ禍以降の好調な荷動きなどを背景に、受注が増えている。同社も28年度の引き渡し分まで仕事を請け負っている。人手不足などによる生産能力低下を避けるため、クレーンの大型化を決めた。
高市早苗首相が官民連携で重点的に投資する17分野の一つに造船を挙げていることも、プラス要因となっている。一方、米国とイスラエルのイラン攻撃は先行きが見通せず、影響を注視する必要があるという。
県庁で増設表明式があった。山本勇一社長は「臼杵市の基幹産業として成果を上げ、地域貢献していきたい」、佐藤樹一郎知事は「市と連携して支援させてもらう」と話した。