【玖珠】玖珠町四日市の地元住民が長年、大切にしてきた石製の仏像2体が、安置していた石のほこらから持ち去られた。管理する四日市自治区は玖珠署に盗難届を提出。住民は毎年夏に祭りを開くなどして親しんできただけに、「まさか盗まれるとは」とショックを受けている。
同自治区によると、なくなったのは十一面観音像と薬師如来像。いずれも座像で高さ約40センチ、重さは10キロ程度という。ほこらに刻まれた銘文によると、十一面観音像は1748年、薬師如来像は1869年に作られたとみられる。
地区内の山中にあった長福寺に寄進されたもので「四日市がらん様」と呼ばれ、毎年8月に集落に下ろして祭りを開催。水落貞典副区長(72)は「仏像を運ぶのが子どもの役割で、重くて大変だった」と思い起こす。
その後、同寺跡が玖珠工業団地の用地になったため2009年、集落の小高い丘の上にある神社の横に仏像とほこらを移設。屋根を設けて保護し、祭りを続けてきた。
なくなったのが分かったのは21日夕。同自治区会計担当の尾方秀則さん(71)が散歩で立ち寄った際に気付いた。「驚いて、何か仏像を動かす予定があったかと思いを巡らせた」という。住民の間で、14日夕にはあったことが確認されている。
中島伸吉区長(73)は「90代の住民が泣いて悲しんでいると聞き、心が痛い。どうか戻ってきてほしい。仏像の写真を飾るなど方策を考え、祭りは続ける」と話している。