【日出】ホテルを満喫した後は、農業体験を―。日出町のホテル「グランドメルキュール別府湾リゾート&スパ」は、地元の農業法人ファームサムと連携し、野菜の収穫体験付き宿泊プランを提供している。ホテルを予約するだけで、体験の申し込みも完了。気軽に自然と触れ合えると、子ども連れ客らに好評だ。
「土がふかふかで気持ちいい!」。11月上旬、畦森(うねもり)さん一家(山口県下関市)はホテルをチェックアウトし、同町大神の畑を訪れた。ファームサムの高松修代表(57)から大分在来のトウモロコシ「もちとうきび」について教わると、小学生の聖利さん(9)、千咲さん(7)きょうだいは興味津々。背丈ほどある葉をかき分けながら収穫に挑戦した。
空豆の種まきでは、ポットに土を入れる作業から取り組んだ。初めは素手で土に触れることをためらっていた2人も、次第に没頭。「大きく育ってね」と声をかけながら水をあげた。
車で来県し、1泊2日の旅。母の茜さん(33)は「普段できない経験。子どもたちがとても生き生きしていた」。父の真仁さん(35)は「土地勘もない中で、自分たちで体験先を見つけるのは大変。プランに含まれているのはありがたい」と喜んだ。
プランは今年4月に導入した。土地ならではの自然や文化、伝統を紹介したいホテルと、「農」に触れる機会を提供したい高松さんを、ひじ町ツーリズム協会がつないだ。九州を中心とした家族連れに人気で、来年3月までの予約を含めてこれまでに170人以上の申し込みがあった。
農泊や自社農園を持つホテルとは違い、農業体験が目的の旅行を考えていない人たちが偶然プランを見て関心を持つケースもあるという。
高松さんは「野菜を売るだけでなく、自然と触れ合う価値を伝えたい」。ホテルの市原育代シニアマネジャーは「地域の持続的な発展に向け、現地の魅力を満喫し、住民とつながる機会を提供していく」と話している。