臼杵市深田にある国宝臼杵石仏。花びらをモチーフにした陶磁器「臼杵焼」を作る工房は、石仏のすぐそばにある。
ギャラリーなどを併設した「うすき皿山」では、やわらかな光が差し込む空間で代表の宇佐美裕之さん(48)が創作に励んでいた。
臼杵焼は約200年前、臼杵藩が開いた御用窯で作られていた。当時は窯場のあった場所にちなみ「末広焼」と呼ばれていたが、十数年で途絶えたとされる。
「昔、骨董(こっとう)好きの知人から末広焼を見せてもらってずっと心に残っていた。このデザインは現代でも受け入れられるのではないか」と、宇佐美さんが地元の陶芸家仲間らと協力し、2015年に復活させた。今では14人が制作に携わっている。
板状にした粘土を型やろくろを使い、手作業で仕上げていく。釉薬も工夫し、つやを消した質感の白い器は臼杵焼を代表する人気商品に育った。大量生産はできないが人の手で形作られるため、ひとつとして同じものはない。
器作り体験には国内外からファンが訪れる。今後は「海外での展示やオンライン販売を強化して、輸出も増やしていきたい」と次を見据えている。