大分市の時速194キロ死亡事故、福岡高裁で控訴審初公判 判決言い渡しは来年1月22日

時速194キロ死亡事故控訴審の主な争点

 2021年2月に大分市大在の一般道で発生した時速194キロ死亡事故で、危険運転致死罪に問われ、一審大分地裁の裁判員裁判で懲役8年(求刑懲役12年)を言い渡された被告の男(24)の控訴審初公判が29日、福岡高裁(平塚浩司裁判長)であった。検察側は量刑不当などを主張し、弁護側は過失運転致死罪を適用するように求めた。即日結審し、来年1月22日に判決を言い渡す。
 争点は、危険運転罪の対象となる▽進行を制御することが困難な高速度▽妨害目的の運転―に当たるかどうか。どちらか一つにでも該当すれば、同罪が適用される。
 検察側は、一審が退けた妨害目的を認定し量刑を引き上げるように求めた。
 被告の車は事故現場の約400メートル手前で被害車両のライトを認識できたが、減速をせずに猛スピードで進行したとして「事故を避けるには相手に急ブレーキなど回避措置を取ってもらうしかないと自覚していた。安全な通行を妨害する積極的な意図があった」と指摘した。
 弁護側は制御困難を認定した一審を批判し、「適用されるべきは過失運転致死罪」と改めて主張した。
 弁護人は「被告の車は意図した通りに道路を直進できており、制御困難性は生じていない」と言及。一審判決の根拠となった現場道路での走行実験が「事故から3年以上が経過しており、路面が事故当時と同一とはいえない。車種も被告の車と異なり、運転手役も捜査員で信用性に欠ける」と強調した。一審判決後、損害賠償金を支払ったことも考慮するよう訴えた。
 この日、被告は出廷しなかった。検察側は、ライトの視認性を調べた実験結果の証拠採用や警察官の証人尋問を請求したものの、平塚裁判長はいずれも却下して審理を終結した。
 昨年11月28日の一審判決は「ハンドルやブレーキ操作のわずかなミスで、進路から逸脱し、事故を発生させる実質的危険性があった」と述べ、制御困難な高速度を認定。妨害目的は「右折してきた被害車両の通行を積極的に妨げる動機がない」として認めなかった。検察側と弁護側の双方が判決を不服として控訴した。

<メモ>
 事故は2021年2月9日午後11時過ぎ、大分市大在の一般道(法定速度60キロ)で発生した。当時19歳だった同市の男が乗用車を時速194キロで走らせ、交差点を右折中の乗用車に激突。運転していた同市坂ノ市南、会社員小柳憲さん=当時(50)=を死亡させた。

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