遠距離通学の高田高生徒を無料送迎 保護者の負担軽減へ、豊後高田市が公用車など活用

下校時に無料送迎のタクシーに乗り込む平野綾音さん=豊後高田市の高田高

 【豊後高田】豊後高田市は9月から、遠距離通学する高田高生徒の登下校時に公用車やタクシーを使って無料送迎する事業を始めた。保護者の負担を軽減して子育て環境を整える目的で、高校生の送迎支援は県内初の取り組み。当初は生徒2人が利用しており、市は1年間、試験運用してニーズなどを確認する。
 遠距離の生徒は現在、保護者に送迎してもらったり路線バス、ミニバイクを使うなどして通学している。
 送迎支援を利用できるのは▽同市に在住する▽自宅から高校まで6キロ以上▽自宅から路線バスが走る国道213号のバス停まで3キロ以上ある―生徒。車両はタクシー、公用車、部活動の送迎バスなどを活用し、事業費約47万円は乗り合いタクシーの運行費を充てる。
 開始時は生徒5人から問い合わせがあり、田染地区の2人が条件を満たした。朝と夕方、自宅近くの集合場所と学校間の送迎を受けている。
 3年の平野綾音さん(18)は「今まで送り迎えをしてくれていた母親の負担が減って良かった。卒業まで利用したい」。
 市内に1校しかない高校の魅力を高めようと、市は学業支援のための無料公営塾開設や、本年度からは希望する生徒に学校給食を無料で提供している。
 市地域活力創造課は「送迎支援の条件は柔軟に適用する。中学生が進学先を選ぶ際、参考にしてもらえれば」と話した。

最新記事
豊後高田市議会
豊後高田市と中津市、「手話言語の国際デー」に合わせ庁舎などライトアップ
豊後高田市内の災害時使用可能な井戸をマップに 県薬剤師会作製「命守る情報源に」
豊後高田市議会が議会のガイドブック作成 議事進行や傍聴ルール解説「身近に感じて」
高田高の創立115周年を記念、プロ音楽家が校歌レコーディング PVも作製、年内に生徒に披露へ