大分空港(国東市)と大分市を結ぶホーバークラフトは26日で就航から1カ月がたった。周知に時間がかかり序盤の集客は出遅れ、盆期間に盛り返した。運航会社は「まずまずの順調な滑り出し」と話す。訓練中は事故が相次いだものの、大きなトラブルなく進んでいる。安全運航を優先するため予定より少ない便数で始めており、今後は平日の利用促進に向けた増便などを検討していく。
大分空港と大分市西大分地区との間を約35分でつなぎ、定員80人で1日4往復(8便)している。
運航会社「大分第一ホーバードライブ」(大分市)によると、1カ月間の平均搭乗率は4割ほどだった。テレビCMなど県外へのPRを始める8月上旬まで客数は伸び悩んだが、盆期間を含む9~17日は帰省や観光で利用する人が増えて回復。小田典史社長(53)は「13~15日は高い搭乗率で、14日は満席の便もあった」と語る。
帰省していた豊後大野市の実家から東京に戻るため、23日に乗った都内の30代女性は「西大分の乗り場まで家族が送ってくれた。子どもがいるので、早く空港に到着する方がいい」と語った。
懸念材料の一つだった天候不良などによる欠航は、この1カ月間でロシア・カムチャツカ半島付近の地震による津波注意報発令(7月30、31両日)など限定的だった。
大分空港を夕方に出発する便は土日・祝日しかなく、今後は平日のニーズに応えられる運航体制づくりが課題となりそうだ。
ホーバーの愛好者でつくる「継承の会」の油布大輔会長(48)は「平日夕方の便があれば、ビジネス客らが利用しやすいのではないか」と指摘する。
大分第一ホーバードライブは現行より多い便数での就航を構想していたが、安全運航のために抑えた。今後の増便について、船体を所有する県などとも協議して検討を進める。
県交通政策企画課は「利便性向上には、空港に発着するどの航空機と接続すればいいのかも、もっと考える必要がある。実績を見ながら改善を重ねてもらいたい」と話した。
<メモ>
大分空港と大分市を結ぶホーバー定期便は、別の事業者が2009年に撤退して以来となる。県がアクセス改善を目的に復活の方針を決め、20年に第一交通産業(北九州市)と協定を結んだ。県が3隻を購入して所有し、運航会社に貸し付ける「上下分離方式」を採用。当初は23年度内に就航する計画だった。定期航路は国内唯一で、観光資源の役割も期待される。24年秋には別府湾周遊便が先行して始まり、この盆期間は全7便のチケットが予約時点で完売するなど好調だった。