【アート薫るまち くにみ】オルゴール作家・川原崎純子さん 童話の世界へ誘う音色

アトリエ「ゆのん」で創作に励む川原崎純子さん(右)と、長男の智哉さん=国東市国見町

 メロディーに合わせ、メルヘンチックな動植物や部品が動く。川原崎純子=作家名・夢音(ゆのん)=さん(63)制作の木製オルゴールは童話のような優しい世界観が特徴だ。材質の育った条件や年数などで音色が変わるため山桜、マホガニーなど30~40種の木材を使用する。
 「ソプラノ、バリトンなどそれぞれの個性を引き出すのが楽しい」
 オルゴールとの出合いは京都で生活していた28年前。病気がちの次男を心配するあまり、パニック障害になった。医者から勧められた木製オルゴールの音色を聞くと肩の力が抜け、涙がこぼれ落ちた。「自分も作ってみたい」
 木工の経験はなく周囲の作家から相手にされない日々だった。独学で木の加工技術や音の響かせ方を学び、2年後に作家として活動を始めた。
 創作の傍ら百貨店の催事や巡回展などで多忙な中、2015年9月に長崎県佐世保市の作品展で、国見アートの会事務局の和田木乃実さん(66)=国東市国見町=と向かい合わせのブースになった。目が合い、互いに引かれるものを感じ、国東半島を紹介する冊子を見せられたという。
 国見町に足を運ぶたび、豊かな自然や人情味あふれる住民に魅了された。22年10月、アトリエ「ゆのん」を構えた。
 昨年から長男の智哉さん(37)が弟子入りし、2人で静かな環境で創作に打ち込む。「国見の風土に影響を受け、海をモチーフにした作品が増えた。ここは心のバランスを取れるすてきな場所」。屈託のない笑顔で語った。

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