「私たちのできることを続けることで道は開ける」―。別府アルゲリッチ音楽祭のマルタ・アルゲリッチ総監督が21日、大分市内であった公演後、核兵器廃絶を求めて活動する「高校生平和大使」に連帯のメッセージを送った。音楽を通じて希求してきた戦争のない世界に向け、未来の担い手と共に歩む決意を示した。
25回目の節目となった今年の音楽祭は平和を祝(ことほ)ぐという意味を考える機会にしようと、ラベル(1875~1937年)やサンサーンス(1835~1921年)といった戦禍にあった音楽家の作品を取り上げている。
戦後80年を迎えたものの、世界には今もなお戦争で苦しむ人たちがいる。若い世代の活動を知り改めて平和の尊さを考えてもらうため、同市高砂町のいいちこグランシアタで開いた25回記念特別公演「祝祭の日」に合わせてセレモニーを企画した。
大使を代表して、昨年度務めた花崎太智(たいち)さん(17)=宇佐高3年=が出席。公演終了直後のアルゲリッチ総監督から直接メッセージを受け取り、今後も活動を続けていくことを誓った。
鳴りやまない拍手の中、サプライズも。アルゲリッチ総監督は伊藤京子総合プロデューサーとステージに立ち、ラベル「マ・メール・ロワ 第5曲『妖精の園』」をピアノで連弾し、記念の日に花を添えた。
大使が誕生したのは音楽祭と同じ1998年。公募で選出された全国の高校生が国内外で核兵器廃絶などを訴えている。花崎さんは27代目の大使として、スイス・ジュネーブにある国連欧州本部に9万6428筆の署名を届けるなどの活動をした。
世界的ピアニストから思いを託された花崎さんは「平和のためには対話が大事だと思うと伝えると、アルゲリッチさんは音楽と対話は共通すると話してくれた。とてもうれしくて、活動の励みになった」と感激した面持ちだった。