【大分】大分市中央町のライブハウス「AT HALL(アトホール)」が開店20周年を迎えた。音楽のほか、演劇や映画、詩の朗読、ダンス、お笑いなど幅広いジャンルのアーティストがステージに立ち、県内のカルチャーシーンを盛り上げてきた。代表の河村浩さん(61)は「これからも生の舞台、ライブの魅力を届けていきたい」と話している。
2004年11月、若草公園北側の雑居ビル3階にオープン。店名はアットホームな空間を目指して名付けた。椅子席約50人、立ち見約150人を収容。県内外のプロ、アマチュアを問わず、さまざまな表現活動の受け皿になっている。
河村さんは同市出身。上野ケ丘中、大分上野丘高時代はバンド演奏、東京都立大在学中は8ミリ映画の自主製作に熱中。卒業後は地元で家業の酒店を継いだ。00年に店をたたんで同市で音楽練習スタジオを経営していたが、知人の勧めもありライブハウスを始めた。
コロナ禍には公演の中止が相次ぐなど平たんな道のりではなかったが、持ち前の「まあいっか」精神で乗り越えてきた。「20年と聞いて自分が一番ビビっています」。気さくで、ひょうひょうとした人柄が店の魅力にもなっている。
バンドで活動する上野良介さん(34)も「演者や客層の幅が広く、気軽に出入りできる雰囲気がいい」と、19年ごろからスタッフとして音響やブッキングなどを担当するようになった。
近年はオンライン配信でも音楽ライブや演劇などを楽しめるようになっている。河村さんは「配信では味わえない熱量や空気、臨場感がある。やっぱり生で見て、聴いてほしい」と話している。
■別府市で24日に記念イベント
節目を記念し、ゆかりのバンドやシンガー・ソングライターら14組が参加したアルバム「AT RANDOM」を発売。24日正午からは、別府市北浜の別府ブルーバード劇場フレックスホールで記念イベントを開く。県内外の8組が出演。前売り3千円(当日千円高)、学生千円、県外者2千円。