広島県尾道市の山あいの町で100歳を超え一人暮らしをしている女性の姿を追ったドキュメンタリー。
石井哲代さんは1920年、4人きょうだいの2番目として生まれた。20歳の時に働き始めた小学校教員を56歳で退職。その後は民生委員として地域のために汗を流した。83歳の時に夫の良英さんが亡くなってからは、一人暮らしを続けている。その生活ぶりが地元紙などで紹介され、人生100年時代のモデルとして注目されている。
カメラは2022年から24年までの生活に密着した。つえを突きながら自宅前の坂を下ったり、地域の集まりで自作の曲を大正琴で奏でたりする様子を撮影。老いの影響で、できないことが多くなることを受け入れながらも、前向きに日々を送る姿が映し出される。
高齢者の一人暮らしと聞くと、勝手に孤独なイメージを持ってしまうが、哲代さんの周りにはめいや地域の人々などが集まってくる。生活の手助けをしてくれる周囲への感謝を忘れず、なおかつ自分を励ましながら生きていく哲代さん。彼女が口にする言葉の数々は、人生を軽やかに生きていくためのヒントが隠されている。
シネマ5で17日(土)~23日(金)の午前10時。
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