伝統工芸「久留米絣」の小物など150点を展示販売 豪雨被災の森山さん親子が大分市で復興展

久留米絣の作品展を開いている森山哲浩さん(左)と妻の万井さん=大分市のギャラリーおおみち

 【大分】江戸時代末期から続く伝統工芸、久留米絣(がすり)の作品展「藍森山 森山絣工房展―水害からの復興―」が大分市大道町のギャラリーおおみちで開かれている。福岡県広川町の工房が豪雨で被災した森山虎雄さん(92)、哲浩さん(65)親子による反物など約150点を展示販売している。24日まで。入場無料。
 久留米絣は藍色と白に染め分けた糸を織り、模様を出す綿織物。国の重要無形文化財に指定されている。
 2人はともに重要無形文化財技術保持者で、江戸時代末期に開業した森山絣工房の4、5代目。30もの工程は全て手作業している。「小柄の森山」と呼ばれ、高度な技術で織り出す繊細な模様を代々得意としてきた。
 同工房は2023年7月に九州北部を襲った豪雨で、染料となる天然藍のかめ36本が水没して作業ができなくなった。クラウドファンディングによる支援などを受け、工房の全面改修を進めており、6月に再開できる予定。
 作品展には反物のほか、普段使いができるように仕立てた洋服やバッグ、名刺入れなどが並ぶ。浸水被害を受けた品も、洗濯して元の状態に整え、割引して販売している。
 哲浩さんは「たくさんの方に助けられ、ようやく工房の復旧のめどが立った。機械織りでは出せない手織りの柔らかさを、実際に手に取って確かめてほしい」と話している。
 問い合わせは哲浩さん(090-7461-6338)。

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