【中津】大分など西日本を中心とした16生協などで構成するグリーンコープ共同体(福岡市)が、中津市山国町に建設していた牛乳の瓶詰め工場が完成した。国産飼料生産から乳牛の飼育、牛乳の製造まで一貫して取り組む「共生・循環型酪農プロジェクト」の中核となる施設。8日に開所式があった。
共同体は2023年に下郷農協(中津市耶馬渓町)、耶馬渓酪農組合(同)と協定を結び、一貫体制を構築。運営は3者などが共同出資して事業ごとに設立した新会社が担う。年間約1万5千トンの混合飼料を生産するTMRセンター(日田市渡里)は昨年開所し、来年春には千頭規模の酪農場(同町)が稼働を開始する予定。
瓶詰め工場は国道212号沿いの敷地(6967平方メートル)に鉄骨2階(延べ床面積3421平方メートル)を設置。1時間6千本、年間700万本の牛乳を生産する。総工費約51億円。地元を含む16人を雇用した。
当初は県産生乳を使用。新酪農場完成後は段階的にシフトし、2年間かけて完全に入れ替える予定。
式には関係者約70人が出席。同共同体の日高容子代表理事が「新工場は組合員の夢が詰まった場所で感無量」とあいさつ。来賓の奥塚正典市長は「山国町への企業進出は三十数年ぶり。衰退気味の1次産業、食品製造分野の2次産業の振興と、雇用創出などにもつながる」と述べた。最後に、出席者代表が作業ラインを起動させた。
<メモ>
グリーンコープの瓶牛乳は、安心安全の「生命(いのち)を育む食べもの」運動の象徴的な商品で2003年に誕生。生乳本来の成分と風味を守るため、72度の殺菌でガラスのリユース瓶に入れている。種類はノンホモ牛乳など3種類(各900ミリリットル)。今回、デザインを一新した。