「アトツギ甲子園」決勝大会に大分県内から2人が出場へ 豊後大野市の栗田さんと臼杵市の木梨さん

【写真左】「不可能とされていた有機水耕栽培の技術を確立し、全国に普及させたい」と夢を描く栗田貴宏さん=豊後大野市大野町田中 【写真右】「日本のフグ料理を世界に広めたい」と意気込む木梨桃子さん=臼杵市板知屋

 【豊後大野・臼杵】全国の中小企業や小規模事業者の後継者が、経営資源を活用した新たなアイデアを競う「第5回アトツギ甲子園」の決勝大会(20日・東京)に、県内から育葉産業(豊後大野市)の栗田貴宏さん(34)と木梨ふぐ九州店(臼杵市)の木梨桃子さん(38)が出場する。
 同甲子園には全国から189人がエントリー。勝ち進んだ18人が決勝大会に臨む。2人は九州・沖縄ブロック大会で上位3人に入り、出場権を得た。
 73アールのハウスでミツバ栽培をする栗田さんのテーマは「水耕栽培では不可能とされていた有機水耕栽培への挑戦!」。
 植物が成長するには窒素成分が必要。土壌内では微生物が有機物を分解したものを根から吸収する。一方、水中では微生物が少なく分解が進まないため、有機物を含まない化学肥料しか使えなかった。
 化学肥料は製造工程で大量の電力を消費するなど環境に負荷をかける。さらに国内生産量は少なく、ほとんどを輸入に頼っており、世界情勢に左右される。持続可能な農業を目指そうと、昨年春から有機水耕栽培に取り組んでいる。
 テストを繰り返している栗田さんは「研究では確立している技術を実用レベルに引き上げ、全国に普及させたい。全国大会では九州代表として熱意をぶつけてくる」と誓った。
 木梨さんは「伝承された技と味!日本のフグを世界に広める」をテーマに、2022年にフグの輸出が全面解禁されたシンガポールで料理を提供するビジネスプランで勝負する。
 家業はフグの加工卸業で、県内を中心に年間約80トンを出荷する。
 業界はコロナ禍により、団体客が激減して打撃を受けた。「このままではまずい」と同年から大学院で、経営や事業について研究。人口減少で国内市場が縮小傾向であることや、調理技術の難しさからフグの輸出が伸び悩んでいる点に注目し、プランを練り上げた。
 さばき方や盛り付けなどの技術とともに、おいしさを伝えられる職人の育成に力を注ぐという。木梨さんは「将来的には他国への展開も目指す。海外でフグを食べた人が『本場で食べたい』と日本を訪れてくれることが理想」と話した。

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