県運営「OITAえんむす部」での結婚227組 AIマッチング好評、婚活の場に定着

大分市高砂町にあるOITAえんむす部出会いサポートセンター

 県が運営する「OITAえんむす部出会いサポートセンター」(大分市高砂町)は、会員同士で結婚したカップルが220組を超えた。2018年6月の開所から徐々に増え、近年は毎年40組以上が結ばれている。自分に合いそうな人をAI(人工知能)が選んでくれるマッチングシステムが好評で、婚活の場として定着している。
 センターは「OASISひろば21」3階にある。県内に住む20~40歳の独身者が対象の会員制で、さまざまな結婚支援サービスを提供している。
 1月23日時点で男性788人、女性611人が登録。これまでに227組がセンターで出会い結婚している。23年度で見ると、えんむす部会員同士の結婚は41組。県内の婚姻数3689組(23年の人口動態統計)との比較では約1%に当たる。
 出会いのサポートには最新の技術も活用している。
 22年度に導入したAIマッチングシステムは結婚条件や価値観診断テストから、相性のいい相手を紹介する。会員自身が自分に合いそうな異性の会員を登録データから見つける仕組みは、能動的な相手探しが苦手な人には使いづらさもあった。村山和寿センター長は「AIが背中を押すことで一歩踏み出すきっかけになっているのではないか」と言う。
 県内の婚姻数は1993年の6786件から、30年間で約4割減少した。背景には少子化や結婚観の変化などがある一方、出会いの機会を求めている人も少なくない。
 センターでは会員数の増加に向けて、新規入会者が写真館でプロフィル写真を無料撮影できる特典を設け、広報活動も強化している。2月には、全国で活躍する婚活コーディネーター荒木直美さん(熊本県)が「えんむす部部長」に就任し、イベントなどを開く予定。
 所管する県こども未来課の鈴木邦彦課長は「行政が運営しているという安心・安全さが強み。結婚を希望する人が望みをかなえられるよう、市町村、民間団体とも連携を強めていきたい」と話している。

<メモ>
 OITAえんむす部は登録料1万円(2年間)で登録には身分証などが必要。会員はセミナーへの参加、婚活イベントの情報提供といったサービスも受けられる。

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