大分県警「闇バイトに手を出さないで」 SNSの求人通じ相次ぐ事件…学生らに啓発

チラシを配り、闇バイトへの注意を促す警察官=大分市末広町

 「闇バイト」で実行役を募った強盗事件が、首都圏を中心に相次いでいる。多くは交流サイト(SNS)を通じて応募したとみられ、逮捕者は若年層が目立つ。同様の強盗は大分県内で起きていないものの、県警によると、闇バイトをきっかけに特殊詐欺に手を染めたという逮捕者も出ている。県警は「安易に応募すると犯罪に加担させられる。絶対に手を出さないでほしい」と警鐘を鳴らす。
 県警安全・安心まちづくり推進室によると、犯罪グループは「高額報酬」「短時間で稼げる」「即日入金」といった誘い文句を並べ、ネット上で闇バイトを募る。合法的な仕事を意味する「ホワイト案件」とうたうこともある。
 仕事の詳細は直前まで明かさず、応募時には住所や連絡先など個人情報を聞き出すため、応募した人は、犯罪に関与すると分かって関係を絶とうとしても「家族がどうなっても知らないぞ」などと脅され抜けられなくなるという。
 首都圏で続く闇バイト強盗は、警視庁や地元県警が合同捜査本部を設置し捜査を進めている。東京都練馬区や横浜市青葉区、埼玉県所沢市の事件では実行役らが捕まった。首都圏以外でも、山口県光市で10月、住宅から金品を奪う目的で工具などを持参したとして、強盗予備の疑いで関東の少年ら3人が逮捕された。
 大分県警は「同様の事件はいつ県内で発生してもおかしくない」と危機感を持つ。今月20日、大分市末広町のJR大分駅府内中央口広場で警察官9人が、危険性を知ってもらう街頭活動を展開。通学する高校生や大学生らにチラシを手渡し「SNSの不審な求人に気を付けてください」と注意喚起した。
 県警安全・安心まちづくり推進室の神田英樹室長は「最初は当たり障りのない仕事をさせ、徐々に危険な犯罪に加担させられることがある。一度でも関係を持つと、犯罪グループに都合良く使われる」と強調する。
 「既に応募している場合も勇気を持って引き返すことが大事。犯行グループに脅されていても、相談をしてくれれば、警察は必ずあなたと、あなたの家族を守ります」と呼びかけた。

<メモ>
 警察は闇バイトなどに関する相談窓口を設けている。受付電話番号は▽警察相談ダイヤル ♯9110▽大分っ子フレンドリーサポートセンター 097-532-3741▽県警本部 097-536-2131。

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