津久見市無垢島のつばき油製造、今年で終了へ 住民の高齢化、収穫量減…

ツバキの実を収穫する島民=津久見市無垢島

 【津久見】津久見市無垢島の住民は年末にかけて、純度100%つばき油作りに精を出す。島の特産品として長年親しまれてきたが、住民の高齢化や原料となるツバキの実の不作が続いているため、今年が最後の製造になるという。
 無垢島は津久見港から16キロ沖にあり、現在は17世帯30人が暮らす。「椿の里」づくりとして、1981年から裏山に植樹を始め、約5千本のヤブツバキや八重ツバキが育った。つばき油作りは婦人会メンバーが担い、市内の店舗や顧客に販売していた。
 90年代後半の最盛期には、年間約800キロの実が取れ、100ミリリットル入り化粧瓶2千本を超えるつばき油を出荷した。しかし、近年は収穫量が15~30キロまで減り、瓶数も100本以下に落ち込んだ。
 高齢化が進む島の生活を支えるため、県や市、NPO団体などは長い間、収穫のサポートを続けてきた。最後となるつばき油の製造を控えた今年9月末、市職員ら15人が島へ渡った。山頂付近の木から、ピンポン玉サイズの実を一つ一つ手で摘み取り、籠に詰めて島民に引き渡した。
 今後は島内の女性らがミキサーで粉末にしたり、蒸したりして搾油を繰り返し、年内には常連客らに向けて発送する予定。
 長く製造に携わってきた島民の桝本なつえさん(67)は「県内外問わず、毎年欠かさず買ってくれるファンがたくさんいた。何十年も愛される製品になって大変ありがたい」と話した。

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