別府市が12月から自治体ライドシェア実証運行へ バスやタクシー会社からは懸念の声

事業の概要を説明する別府市の担当者=13日、別府市役所

 【別府】別府市は13日、市内のタクシー不足に対応するため、デマンド方式の「自治体ライドシェア」の実証運行をする方針を明らかにした。JR別府駅周辺と市内北部地域を発着点に全市をカバーするサービスを想定。忘年会シーズンを迎える12月から始める。市は導入への理解を求めるが、バス、タクシー会社からは経営への悪影響を懸念する声が出ている。
 13日にあった市公共交通活性化協議会で提案した。
 別府駅周辺を発着地にするサービスは、毎週金、土曜の午後4時~午前1時に実施。北部地域は、平日の早朝と夜間の運行を計画している。
 ドライバー若干名を公募し、自家用有償旅客運送制度(自治体ライドシェア)に基づいて実施する。実証運行の期間は1年。
 予約アプリを導入し、発着地と運賃を事前に確定させ、キャッシュレスで決済する。運賃はタクシーの8割以下。相乗りはできない。市が所有する定員6人のワゴン車4台を使用する。
 現在、実施している定時・定路線のコミュニティーバス「南部循環線」と同じく、市の外郭団体「ビービズリンク」に委託して交通事業者が運行管理を担う形態で調整を進めている。
 市役所で開かれた協議会では、バス会社が「路線バスを運行している区間、時間帯と重なっている」と懸念。市タクシー協会は「十分な説明がないまま、いきなり提案されて驚いている」と困惑の声を上げた。市は「説明が丁寧でなかった点は申し訳ない。移動手段に困っているとの声に応えなければならない」と理解を求めた。
 11月の協議会で、採決を取る予定。市企画戦略部は「交通事業者と協力し、誰でも移動したい時に気軽に利用できる公共交通をつくっていきたい」と話している。

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