日田市で企画展「銀河鉄道の夜を彩る石たち」 宮沢賢治の作品通じ魅力伝える

宮沢賢治作品を通じて石の魅力を伝える展示を見る来場者=日田市上城内町の市立博物館

 【日田】宮沢賢治の作品を通じて石の魅力を伝える日田市立博物館の企画展「銀河鉄道の夜を彩る石たち」が、市内上城内町の同博物館で開かれている。9月1日まで。作中に出てくるさまざまな岩石や鉱物など約320個を展示している。
 賢治は子どものころ、「石ッコ賢さん」と呼ばれるほど石好きで、作品の中には多くの石が登場する。
 企画展は、代表作の一つ「銀河鉄道の夜」に焦点を当てた。会場の中央に蒸気機関車(SL)の模型を配し、作中18場面の一節をパネルで紹介。文中にある黒曜石や水晶、サファイアなどを並べている。併せて、一節に出てくる星座などの天体写真を掲示し、作品の世界観を表現する。
 同じ石でも複数示すことで、見つかった場所の土に含まれる成分の違いから色や大きさ、形が異なることが分かる。
 会場では石ができ、風化し、また新しい石ができる仕組みをパネルで説明。光る石や、石の下の物が浮き上がって見えるテレビ石といったユニークな展示も来場者の人気を集めている。
 石は同博物館と、益富地学会館認定鉱物鑑定士の高石光治さん(69)=玖珠町塚脇=の所有。天体写真は、日田天文同好会長の梶原達夫さん(72)=市内尾当町=が撮影したものにイラストを加えた。
 同博物館学芸係の橋本知佳さん(43)は「宮沢賢治が石を使って表現した宇宙の情景を通して、いろいろな石を知り、興味を持ってほしい」と話した。
 入館無料。開場は午前9時~午後5時。休館は毎週月曜(月曜が祝日の場合は火曜)。問い合わせは同博物館(0973-22-5394)。 

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