人工知能(AI)を使い、芸能人の肖像や声優の声を無断で生成したとみられる画像や動画が、昨年6月からの約2カ月間で延べ4万3483件確認されたことが、大手芸能事務所などでつくるNPO法人「肖像パブリシティ権擁護監視機構(JAPRO)」の調査で分かった。投稿された交流サイト(SNS)の閲覧数は計約3億3500万回に上った。同機構は、芸能人らが受ける経済的損失を約20億~45億円と試算している。
同機構の担当者は「無断利用が疑われる投稿が広く確認され、非常に深刻だ。声は同一かどうかの判別が難しく、判明した被害は氷山の一角に過ぎない」と強調。法務省は無断利用への法的対応を協議する有識者検討会を設置しており、月内にも指針をまとめる。
調査は芸能人や声優らに酷似した顔や声の人物が登場するAI動画が対象。勝手にアニメを実写化したり、アニメキャラクターの声で歌唱させたりする偽動画が目立った。損失額は肖像などの利用料や、閲覧数を広告に換算した金額などに基づき算出した。