チンパンジーも仲間襲う「内戦」

中部の雄(中央)を取り囲んで襲う西部のチンパンジー=2019年、ウガンダ・キバレ国立公園(アーロン・サンデル氏提供)

 一つの群れのチンパンジーが二つの集団に分かれ、かつての仲間を襲って殺害する「内戦」に陥った事例を、米テキサス大オースティン校などの国際チームが30年に及ぶ調査で確認した。群れの権力構造の変化や、分断が進む集団間の架け橋だったメンバーの病死などを経て、対立が深刻化する過程を明らかにした。

 人間に見られる集団暴力は民族や宗教といった文化の違いに根ざしているのか、人間関係が不安定化するだけでも発生するのかが議論となっている。チンパンジーは人間に最も近い種の一つ。今回の観察は、文化の違いがない条件でも内戦に至る可能性を示した。成果は米科学誌サイエンスに掲載された。

 調査は1995年、ウガンダのキバレ国立公園で始まった。群れが100匹余りから次第に大きくなっていく中でも、共に食事や毛繕いをし、縄張りを守り、他の群れを襲っていた。

 分断の兆候は2015年に表れた。多数派集団「中部」が少数派の「西部」のメンバーを追い回し、互いを長期間避ける様子が見られた。17年には西部が中部のボス格の雄に重傷を負わせた。

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