SNSなどネット上の誹謗中傷や差別に当たる投稿をした人に削除を命じ、従わない場合に5万円以下の過料を科す鳥取県の改正条例が22日の県議会本会議で可決、成立した。来年1月下旬に施行される。県は同様の条例を設けている都道府県は把握していないとしており、全国初とみられる。
政府は今年4月、誹謗中傷の投稿への対応をサイトなどの運営事業者に義務付ける「情報流通プラットフォーム対処法」を施行。投稿者に削除を命じる規定はない。条例で対策を補完し、人権侵害防止の実効性を高める狙いがある。
改正するのは「人権尊重の社会づくり条例」。県民は知事に対し、人権侵害に当たる投稿を運営事業者や投稿者に削除要請するよう求めることができると規定する。知事は有識者による協議会の意見を聞いた上で、必要と判断した場合は削除を要請する。応じない場合、投稿者に削除を命令。従わなければ投稿者の氏名などを公表、5万円以下の過料を科す。削除の要請・命令の対象となる投稿は特定個人を標的とするものを想定している。