22日の国債市場で、長期金利の指標である新発10年債(380回債、表面利率1・7%)の利回りが急上昇し、一時2・100%を付けた。市場関係者によると、1999年2月以来の高い水準。日銀が今後も利上げを継続するとの観測から、国債が売られて利回りが上昇した。
国債は売られると価格は下がり、利回りが上がる仕組みだ。長期金利は上昇傾向が続いており、19日には2%台に乗り終値で2・020%を付けていた。
日銀は19日に金融政策決定会合を開き、政策金利を現行の0・5%程度から0・75%程度に引き上げると決めた。95年9月以来30年ぶりの高水準。植田和男総裁は記者会見で、経済や物価が想定通り推移すれば「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整する」と発言し、利上げを継続する方針を示していた。
ソニーフィナンシャルグループの渡辺浩志チーフエコノミストは「(物価高により)日銀が早期の追加利上げに追い込まれるとの見方も、国債売りにつながっている」と指摘した。