高市早苗首相と野党4党首による初の党首討論が26日、国会で開かれた。首相は、集団的自衛権の行使が可能になる存立危機事態について「いかなる事態が該当するかは、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、全ての情報を総合して判断する」と述べた。台湾有事が存立危機事態になり得るとは言及しなかった。台湾を巡る従来の政府方針を継承する姿勢を示し、自身の国会答弁に中国が反発する事態の沈静化を図った形だ。
立憲民主党の野田佳彦代表は討論後、記者団に「具体例を言わなくなった。事実上の(答弁の)撤回だと受け止めた」と評価した。
野田氏は、衆院予算委員会での首相答弁について、米国が台湾に関し曖昧戦略を取る中、日本の具体的な対応を明らかにしたとして「国益を損なう。独断専行だった」と批判した。
首相は「具体的な事例を挙げて聞かれたので、その範囲で誠実に答えたつもりだ」と述べ、理解を求めた。答弁で悪化した日中関係への責任を問われ「対話を通じて包括的な良い関係を構築し、国益を最大化するのが私の責任だ」と表明した。