【北京共同】台湾有事に関する高市早苗首相の国会答弁を巡り日中関係が悪化する中、北京では、予約の半数がキャンセルされる日本料理店が出るなど影響が広がっている。中国外務省報道官が「日本産水産物の市場はない」と公言したことで、日本食を敬遠する動きの拡大が懸念される。
北京で完全予約制の日本料理店を経営する谷岡一幸さんは、高市氏の政権発足で日中関係の後退を予想していたが「ここまで悪化するとは思わなかった」と話す。
11月から予約数が減り、11月中旬から12月初旬の予約の半数に当たる計12組約50人分がキャンセルになった。11月の予約数は前年同月比で8割減少したという。
今年で開業10年。新型コロナウイルス禍や日本産水産物の輸入停止などの逆境を乗り越えてきたが「今回が最も厳しい。資金が底をつき、事業が立ちゆかなくなる可能性もある」と肩を落とす。
日本産水産物も中国の市場には出回っていない。谷岡さんは「日本の魚を提供できることを心待ちにしていたので残念だ」とうつむいた。