終戦後に満州(現中国東北部)の葫蘆島から引き揚げる約500人の日本人を描いた油絵「一九四六」の展覧会が戦後80年の節目に合わせ、福岡アジア美術館(福岡市)で6日始まり、作者の中国人画家王希奇さん(65)が講演した。引き揚げ者について「(日本人なので)加害者側でもあるが、弱い立場の者は最後は被害者にもなる」と語り「人々が戦争に反対し、生命を尊重するようになれば」と願った。
絵は縦3m、幅20m。暗い色彩で、うつろな顔つきで港を歩く人々を描いた。葫蘆島の近くで生まれた王さんは、インターネット上で見つけた母親の遺骨箱を抱いて引き揚げる子どもの写真に衝撃を受け、制作を決めた。