日産自動車が6日発表した2025年9月中間連結決算は、純損益が2219億円の赤字(前年同期は192億円の黒字)に転落した。世界的な販売不振に加え、トランプ米政権の自動車への追加関税によるコスト負担が利益を下押しした。中間期の赤字は5年ぶり。26年3月期の純損益予想はリストラ費用の算定中を理由に開示を見送った。再建策の一環として横浜市にある本社の土地と建物を970億円で売却する。
9月中間期の売上高は前年同期比6・8%減の5兆5786億円、本業のもうけを示す営業損益は276億円の赤字(同329億円の黒字)だった。世界販売台数は7・3%減の148万台。日本や中国での不振が目立った。
本社売却により26年3月期に739億円の特別利益を計上する。賃料を払い引き続き使う。メキシコにあるドイツのメルセデス・ベンツグループとの合弁工場で、日産車の生産を11月で終了することも発表した。
イバン・エスピノーサ社長は本社で記者会見し、国内外で2万人の従業員を削減するリストラに関し「計画通り推移している」と述べた。