【ワシントン共同】米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は28日、米国が合成麻薬フェンタニルの流入を理由に中国に課している20%の追加関税について、30日の米中首脳会談で最大10%の引き下げに合意する可能性があると報じた。合意に盛り込まれる見込みのフェンタニルを巡る中国の規制強化に対する見返りだとしている。
中国はフェンタニルを根拠とした関税への報復として、大豆など米国産の農水産物740品目に最大15%の関税を上乗せしていただけに、実現すれば摩擦緩和につながる動きとなる。ベセント米財務長官は25日から2日間の日程で行った中国との閣僚級貿易協議で、中国がフェンタニルの米国への流入阻止に協力することで一致したと説明していた。
米中両国は5月にスイスで実施した閣僚級協議で関税の115%引き下げに合意し、うち24%については11月10日までの停止とした。第2次トランプ政権下での対中追加関税は現在、フェンタニルを理由とした20%と、「相互関税」の一部に当たる10%の計30%となっている。