キリンビールは7日、飲食店向けのビールの出荷を9日から調整すると明らかにした。サイバー攻撃に伴うアサヒグループホールディングスのシステム障害でアサヒビールの出荷が減り、キリンの受注が急増して安定供給に懸念が生じたため。
堀口英樹社長が東京都内で記者団の取材に説明した。「一番搾り」ブランドなどのたるや瓶の酒卸問屋への出荷を制限する。サッポロビールとサントリーも一部商品の出荷を調整する異例の事態になっており、堀口氏は「一日も早い復旧を願う」と述べた。
アサヒのシステム障害は7日時点で復旧のめどが立っていない。国内ビール全6工場の操業は2日から再開し、主力ビール「アサヒスーパードライ」を対象に手作業で受注処理した分を生産・出荷している。