【パリ共同】パリの裁判所は25日、2007年のフランス大統領選に勝利したサルコジ元大統領(70)が、独裁者だったリビアの故カダフィ大佐側から巨額の選挙資金を不正に受け取れるよう側近を通じて働きかけたとして、サルコジ被告に禁錮5年の判決を言い渡した。裁判所は仮執行を命じ、被告は後日収監される見通し。フランスメディアが伝えた。
戦後フランスの第5共和制で大統領経験者の収監は初めてとなる。被告は判決後、改めて無罪を主張。控訴する意向を表明した。
裁判所は被告について「自身に代わって活動する親しい協力者や支持者ら」がリビア当局に働きかけ、選挙運動の資金調達のために財政支援を得ようとすることを許容していたと指摘した。
カダフィ氏は被告の大統領就任後、フランスと原発やミサイルの売買契約を結ぶなど「蜜月」が続いたが、被告の政権は11年3月から国連安全保障理事会決議に基づき、米英と共にリビア内戦に軍事介入して反体制派を支援。カダフィ氏は11年10月、反体制派の民兵に拘束され死亡した。12年の報道などで事件が発覚した。