制作に失敗したり古くなって割れたりしたこけしを燃やして供養する「こけし供養祭」が5日、宮城県大崎市・鳴子温泉の神社で開かれた。炎に包まれる多くのこけしを前に職人や大勢の観光客らが静かに見守り、感謝の祈りをささげた。
鳴子温泉はこけしの一大産地。小雨が降る中、やぐら状に組み立てられた木製の台に30個ほどの大小のこけしが並び、祭りの関係者がたいまつで木枠に火を付けた。
職人でつくる「鳴子木地玩具協同組合」の岡崎靖男代表理事(71)は「見習いの頃はよく失敗をした。家族を見送るような気持ちだ」と、燃えて黒くなるこけしをしみじみと見つめていた。