ベネチア映画祭、藤元監督に拍手

ベネチア国際映画祭で「LOST LAND/ロストランド」の公式上映後、観客の拍手に応える藤元明緒監督(手前)=1日、イタリア・ベネチア(共同)

 【ベネチア共同】第82回ベネチア国際映画祭で、斬新な作品を集めたオリゾンティ部門に選出された藤元明緒監督の「LOST LAND/ロストランド」が1日、公式上映され、観客から大きな拍手が送られた。

 迫害を受けるミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャの物語。無国籍の幼いきょうだいが国境を命懸けで越えていく過酷な旅を、幻想的な表現を織り交ぜて描いた。主演のきょうだいら200人以上のロヒンギャが出演している。

 上映後、会場で質疑に応じた藤元監督は「10年以上ミャンマーで仕事をしていて、ロヒンギャの方々について沈黙してきた罪悪感が映画(製作の)のきっかけになった」と語った。

 出演者はパスポートを取得できないため、映画祭に参加できなかった。「すごく残念。見た人たちの心に何かが届き、少しでも世界が変わってほしい」と藤元監督。主演のきょうだいの名前と写真をプリントした紙を貼った空席を会場に用意し、上映後に彼らの席に向けて拍手を送った。

 本作は日本、フランス、マレーシア、ドイツの国際共同製作。

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