東日本大震災の教訓伝承に取り組む「3・11伝承ロード推進機構」(仙台市)が首都圏の住民に行った調査で、震災によって多数が亡くなった要因として「建物倒壊」や「火事」などの誤った回答が計18・2%に上った。「分からない」も12・6%あった。実際は津波による溺死が大半で、機構は震災から14年が過ぎ「実態の理解が不十分な人が増え、風化が始まっている」と分析した。
機構は30日、震災関連資料を展示している東北地方の「伝承施設」を紹介するシンポジウムを東京都内で開く。原田吉信業務執行理事は「災害を自分事として捉えてほしい」と呼びかけている。
調査は6月、埼玉、千葉、東京、神奈川の4都県民にインターネットで行い、5千人から回答を得た。
「知っている災害」に東日本大震災を挙げた4745人に、犠牲者の主な死因を尋ねると、正答の「溺れた」は68・5%で最も多かったが、「建物倒壊」が10・2%、「火事」が4・5%、「避難所などで亡くなった」が2・5%あった。「その他」は1・0%。