【台北共同】5月に「原発ゼロ」となった台湾で、第3原発(南部・屏東県)の再稼働の是非を問う住民投票が23日行われた。賛成票は21・7%で投票成立に必要な有権者数の4分の1に達せず否決された。
ただ賛成票は約434万票で反対票約151万票を大幅に上回った。電力を大量に消費する半導体製造や人工知能(AI)を産業の柱に据え、将来の電力需要増が見込まれる中、経済界からは原発活用を求める声があり、議論は続きそうだ。
台湾では唯一運転していた台湾電力の第3原発2号機が5月に運転期限を迎え、運転を停止した。一方、立法院(国会)では過半数を占める野党主導で同月、期限延長により再稼働を可能にする改正法案を可決。住民投票の実施も可決し、再稼働への圧力を強めた。
住民投票は第3原発を巡り「主管部門が安全上の懸念がないと確認した際の運転継続」の是非を問う内容。野党側は、原発活用を主張している。脱原発を党是に掲げる与党民進党は、老朽化した原発の再稼働には否定的で、頼清徳総統も反対票を投じるよう呼びかけた。