山口県警下関署と下関拘置支所(いずれも山口県下関市)が、地震による津波や大雨などの災害が起きた際に、被収容者を移送する協定を9月にも結ぶことが23日、分かった。同署は海の近くに位置する一方、拘置支所は高台にあることから、浸水に備え、被収容者を署の留置場から拘置支所に移す内容が柱。複数の関係者が明らかにした。
法務省によると、警察署と拘置所が災害時の被収容者移送に関する協定を結ぶのは全国初。災害リスクを抱える警察庁舎は全国各地にあるとみられ、被収容者の安全確保のため、同様の取り組みが広がる可能性がある。
関係者によると、協定は南海トラフ巨大地震や大雨、高潮といった災害時の移送などを定める。災害時の一時的な措置で、安全が確保できれば署の留置場に戻す。国土地理院によると、署の標高は約2・8メートルで拘置支所は約33・8メートル。
下関拘置支所は山口刑務所の支所。法務省中国矯正管区によると、今年5月末現在の収容人員(速報値)は19人で、収容率は23・8%。関係者は「施設に余裕がある」としている。