大阪・関西万博周辺でのゲリラ豪雨の発生について、最新の気象レーダーとスーパーコンピューター「富岳」を使って予測する実証実験を理化学研究所などのチームが22日までに始めた。発生30分前に予測ができるといい、情報は民間企業の天気予報アプリなどを通じて提供。1日10万人以上が来場する万博で、豪雨時の避難への活用が期待される。
近年急増するゲリラ豪雨は、比較的長く続く台風と異なり、原因となる積乱雲の発生場所や時間が局地的かつ突発的で、予測が難しいとされる。
被害も相次ぐ中、理研は豪雨予測に着手。2021年の東京五輪・パラリンピックでも、さいたま市に設置された気象レーダー1台を使い予測実験を実施した。
今回はレーダーを2台に増やし関西地方の広範囲を観測。レーダーは大阪府吹田市の大阪大と、神戸市の情報通信研究機構(NICT)の研究所に設置し、範囲はそれぞれ半径80キロになる。データを補い合うことで、風の流れを正確に導き出したり、建物による電波遮蔽の影響を最小限に抑えたりすることができる。