北海道・知床でヒグマの生態調査を担う「知床財団」は21日、羅臼岳で登山客の男性がヒグマに襲われて死亡した事故の調査報告を公表した。このヒグマは2014年から知床国立公園内で毎年のように目撃され、道路など人目につく場所に出没するたびに追い払う対応を繰り返していたという。
報告によると、駆除されたのは体長1・4メートルの11歳の母グマと、約70センチの子グマ2頭。
襲撃現場付近は夏場はえさとなるアリが多く発生する場所だったという。襲撃4日前にも、登山客を気にせず登山道を登る親子グマが目撃されており、財団は同一個体の可能性が高いとみている。
男性は同行者から離れて走って下山していたが、財団は「かなり速いペースで」走っていたと推定。同行者が「クマよけスプレー」とうたう商品を持参していたが、ヒグマには対応していないもので、襲撃時に使用を試みたが噴射できなかったという。