生活保護制度の住宅扶助受給者が、騒音を理由にアパートの賃貸借契約が解除されたことに伴い住宅扶助が打ち切られたのは不当だとして、横浜市に処分取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は21日、打ち切りは違法だと認め、請求を棄却した一審横浜地裁判決を取り消して受給者の逆転勝訴とした。
厚生労働省の事務連絡は、受給者の主張に相当な理由があれば、住宅扶助が認められるとする。東亜由美裁判長は、この事務連絡を踏まえ、賃貸借契約の終了には当事者間で争いがあり、騒音があったことを示す客観的証拠がなかったことから「有効かつ適切に扶助の需要を検討したとは言えない」とし、市の打ち切り処分を取り消した。
判決によると、横浜市は2023年12月、月額で生活扶助7万9870円と住宅扶助5万2千円の支給を決定。受給者は市内のアパートに居住したが、騒音が続くとして24年7月に契約解除を通知され、市は8月に住宅扶助を打ち切った。