京都を拠点に舞妓の裸婦像などを描き、女性の美を追求した島根県浜田市出身の日本画家石本正さん(1920~2015年)が亡くなってから9月26日で10年となる。同市立石正美術館は来年3月まで、石本さんの業績を振り返る企画展を開催。画材が入手しにくい戦後に、苦労して創作した姿が垣間見える作品もある。
同館によると、石本さんは1940年、京都市立絵画専門学校(現京都市立芸術大)に入学。学徒動員されて同学校を半年繰り上げて卒業し、気象観測に当たる部隊として中国に渡り、終戦を迎えた。帰国の際、石本さんは、絵を描く紙として使えそうな地図をかばんに詰め込んだという。