運転士候補は「地域おこし隊」

山形県南部を走るローカル鉄道のフラワー長井線(長井市提供)

 山形県南部を走るローカル鉄道のフラワー長井線で、沿線の長井市が「地域おこし協力隊制度」を活用した運転士の採用を進めている。運転士不足による苦境を脱するため、未経験者を採用後に育成して「デビュー」させる計画だ。地域交通の維持が課題となる中、市は新たな人材の活躍を期待する。

 フラワー長井線は、県や沿線自治体が出資する第三セクターの山形鉄道が運営し、赤湯駅(南陽市)から荒砥駅(白鷹町)までの30・5キロを結ぶ。今年3月までに運転士や車掌の退職が相次いだためダイヤを維持できず、4月から上下8本を減らした。

 長井市が目を付けたのが、都市部から過疎地などに移住して活性化に取り組む地域おこし協力隊だ。他の自治体の先進事例を参考に「鉄道支援事業」の協力隊員を2人募集した。

 採用されれば、山形鉄道の社員として働き、給与や家賃、活動費などが支給される。点検整備や運行管理の業務を担いながら、隊員として鉄道を活用した地域活性化策を練る。運転士として適性が認められた場合、山形鉄道が運転免許を取得させ育成していく。

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