AI創薬、臨床試験段階に

アステラス製薬がAIを活用して開発中の新薬候補(同社提供)

 AIを活用して新薬を作る「AI創薬」が結果を出しつつある。アステラス製薬と中外製薬が開発する新薬候補が昨年9月から臨床試験の段階に入った。従来は完成までに10年以上、費用も数百億円を超えることもあったが、迅速な開発を目指す。

 アステラスは、自己免疫疾患で涙や唾液の分泌が正常にできなくなる指定難病「シェーグレン症候群」の治療薬を開発している。原因の一つとされる特定のタンパク質の働きを妨げる効果がある薬を作るのが目標だ。

 創薬は通常、薬の候補となる化合物を見つけることから始める。同社は創薬に特化したAIを開発、大量の化合物の特性や構造を学習させた。AIは今回約6万パターンの化合物を予測し、有効性や特性を順位づけた。研究者は副作用が少ないなど適性がある候補を絞り込んだ。

 この工程には通常約2年かかるが、約7カ月で終了した。2024年9月から米国で臨床試験を始めた。

 中外製薬の新薬候補も24年9月から臨床試験に。慢性疾患を対象にした抗体医薬を開発している。

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