東京大や京都大の研究者らによる「極端気象アトリビューションセンター(WAC)」は9日までに、日本が全国的に猛暑に見舞われた7月下旬の記録的な高温は、人為的な地球温暖化の影響がなければ起きなかったとする分析結果を発表した。温暖化に加え、近海の海面水温も影響を与えていた可能性がある。
WACは7月22~30日に日本全域で起きた高温に関し、人間の活動が異常気象に与えた影響を定量化する手法「イベント・アトリビューション」で分析。日本上空約1500メートルの平均気温は19・4度で、1950年以降の同時期の観測では最も高かった。この時期に19・4度を上回る確率は約3・2%で、これは約31年に1度の頻度で起きるとの結果だった。91~2020年の30年を基準にすると、約172年に1度の現象に相当する。
人為的な温暖化がないと仮定した場合は、約1万1472年に1度の頻度(発生確率約0・0087%)だとした。温暖化の影響がなければ、このレベルの高温現象は発生しなかったことが示されたとしている。