【キーウ共同】「最も勇敢で、最も優秀な記者だった」。ロシア占領地を取材中に拘束され、拘置所で監禁中に死亡したウクライナの女性記者、ビクトリア・ロシチナさん=当時(27)=の葬儀が8日、首都キーウであった。旧知の記者は「彼女の死を無駄にしない。遺志を受け継ぎ、真実を伝えていく」と誓った。
葬儀には父親ら親族のほか、友人や記者仲間ら数百人が参列。ひつぎに花を手向ける際、泣き崩れる女性の姿もあった。
フリーランスの記者だったロシチナさんは南部ザポリージャ州の占領地を訪れた2023年8月ごろに拘束され、ロシア南部ロストフ州タガンログの拘置所で勾留された。ウクライナ当局によると、当時の拘置所長の指示で激しい拷問や暴行が繰り返され、死亡した。
ロシアは24年秋に父親に死亡を伝えたが、遺体引き渡しにしばらく応じなかった。今年2月、眼球や脳の一部を摘出した上で「身元不明の男性」として返還した。白目の出血や脳の酸素不足など絞殺を裏付ける証拠を隠すため、臓器を摘出したとみられている。